病勢進行リスクを70%抑制
英国本社のアストラゼネカは2016年12月6日のプレスリリースで、AURA3試験のデータを発表し、タグリッソが上皮成長因子受容体(EGFR)T790M変異陽性局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者のセカンドライン治療として新たな標準治療になり得ることを示した。
タグリッソ初の無作為化第3相試験として実施した今回の試験で、タグリッソによるセカンドライン治療がプラチナ製剤・ペメトレキセド併用の標準的化学療法と比較して病勢進行のリスクを70%抑制し無増悪生存期間(PFS)を5.7カ月延長する結果になった。
この結果はオーストリアのウィーンで開催した国際肺癌学会主催による第17回世界肺癌会議で発表され、The New England Journal of Medicineのオンライン版にも掲載された。
標準治療の可能性を示す
アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるショーン・ボーン氏は「第3相臨床試験により、これまでEGFRチロシンキナーゼ阻害薬使用後に病勢が進行した患者の標準治療とされてきた化学療法に代わり、タグリッソが標準治療となる可能性が示された。また、肺がんは最も脳転移の多い腫瘍型であるため、予後が特に悪いとされる中枢神経系転移を有する患者における活性が見られたことも、タグリッソが有望な薬剤であることを示している」と述べている。
タグリッソは既に、上皮成長因子受容体(EGFR)T790M変異陽性局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の第1選択治療として米国、EU、日本、カナダ、スイス、イスラエル、メキシコ、オーストラリアおよびその他の国々で承認されている。
また、臨床試験の開始から承認までの期間がわずか2年半という最速の開発プログラムのひとつで、術後補助療法、脳転移の有無に関わらず進行および転移を有する患者へのファーストライン治療、髄膜癌腫症、ならびに他の治療薬との併用療法においても現在検討中の段階となっている。
(画像はアストラゼネカのサイトより)

アストラゼネカ株式会社プレスリリース
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