庫内の温度・湿度・CO2濃度などを一定に保つ
澁谷工業株式会社は、12月13日、再生医療製品製造用自動観察機能付インキュベータの開発に成功したと発表した。
インキュベータは、庫内の温度・湿度・CO2濃度などを一定に保ち、細胞などの培養に利用される装置。同社はこの装置により、再生医療産業化への貢献を目指すとしている。
様々な場面における使用が可能
再生医療製品の製造はこれまで、特定の作業者の手作業により行われてきた。しかし今後の産業化のためには、製品を安全・安心・安価に提供するための効率的な製造システムの構築が期待されている。再生医療製品製造用自動観察機能付インキュベータは、こうした状況へ対応すべく、開発されたもの。
同装置は、澁谷工業がこれまで蓄積してきた幹細胞の画像処理技術のノウハウを組み込むことで、非侵襲的に培養中の細胞の状態を評価することを可能にし、高精度の細胞品質管理を実現した。さらに、細胞製造工程で使用される周辺装置との細胞の受け渡しを、庫内の無菌環境を維持したまま可能にするインターフェースを採用。再生医療製品製造の様々な場面における使用を可能にしている。
実用化に向けた研究開発を推進
同装置の開発は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援、大阪大学大学院工学研究科生命先端工学専攻生物工学コース生物プロセスシステム工学研究室の指導の元、株式会社ニコンと澁谷工業が共同で行った。
澁谷工業は今後も、ニコンは実証実験を通じて、再生医療製品の実用化に向けた研究開発を推進するとしている。
(画像は澁谷工業の公式ホームページより)

再生医療製品製造用自動観察機能付インキュベータを共同開発 - 澁谷工業株式会社
http://www.shibuya.co.jp/