第58回米国血液学会で発表
日本新薬株式会社は、12月5日、第58回米国血液学会においてJAK2キナーゼ選択的阻害剤「NS-018」の臨床試験データを発表したことを明らかにした。
同学会は、カリフォルニア州・サンディエゴで開催されており、同社の発表は12月3日に行われている。発表された同剤のデータは、骨髄線維症を対象疾患とするもの。
QOL改善に関連する脾容積縮小を達成
今回発表された「NS-018」のデータは、海外において実施された同剤の第1/2相試験のうち、1日1回300mgを投与した第2相試験部分の有効性および安全性データに関するもの。
患者登録数は、29例。他のJAK2阻害剤での治療において不耐容または再発/難治となった骨髄線維症患者のみを対象としている。そのうち有効性の解析対象となったのは、24週時点のMRIもしくはCT測定を実施できた26例。
26例中16例について同剤は、10%以上の脾容積縮小を達成。この縮小は、QOLの改善や生存に関連すると報告されているもの。さらに、26例中9例では20%以上、3例では35%以上の脾容積縮小を達成した。
セカンドライン治療として有用
1日1回300mg投与における「NS-018」の忍容性は、良好であったと同社はする。主な血液学的有害事象は、血小板減少症と貧血だが、重篤度がベースラインから2段階以上悪化することはなかったとしている。また、同剤投与後もヘモグロビン濃度は概ね安定していたという。
同社はこれらの結果から、他のJAK2阻害剤治療では不耐容・再発・難治である患者に対して、「NS-018」はセカンドライン治療として有用であることが示唆されたとしている。

第58回米国血液学会でのNS-018臨床データ発表のお知らせ - 日本新薬株式会社
http://www.nippon-shinyaku.co.jp/