アベルマブ、優先審査品目に指定
ファイザー製薬株式会社は12月9日、独メルク社と米国ファイザー社が開発中のモノクローナル抗体のアベルマブが11月29日に米国食品医薬品局(以下、FDA)から転移性メルケル細胞がん(以下、MCC)を予定適応症として優先審査品目に指定されたことを発表した。
アベルマブは完全ヒト型の抗PD-L1IgG1モノクローナル抗体で、PD-L1を抑制することでT細胞と適応免疫系を活性化させる薬剤で、2015年9月にFDAからファストラック指定を受けていた。
また、ブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)としても指定されており、今回、新たに優先審査品目として指定を受けたことから、独メルク社と米国ファイザー社は、アベルマブは転移性MCCの治療薬として米国初の薬剤となる可能性があるとしている。
様々ながんについても臨床試験が実施
MCCは皮膚最表層にできる希少性の高い進行性のがんで、米国では年間2,500人もの罹患者がいるとされ、また、再発性が高く、予後不良のがんであることから5年生存率が20%とも言われている。
アベルマブは転移性MCCの他に乳がん、胃・胃食道接合部がん、頭頸部がんなど多数の臨床プログラムとして実施されており、欧州医薬品庁も転移性MCCの治療薬としてアベルマブの販売承認審査を開始しているとしている。

ファイザー製薬株式会社 プレスリリース
http://www.pfizer.co.jp/