術前化学療法の効果予測に有効なもの
国立研究開発法人国立がん研究センターは、11月28日、骨肉腫の治療効果予測に有効なマイクロRNAを2種類特定したと発表した。
骨肉腫は、代表的な希少がん。特定されたマイクロRNAは、予後に大きく影響する術前化学療法の効果予測に有効なものであり、同センターは新規治療法の開発を目指すとしている。
「miR100」と「miR125b」
骨肉腫では、術前化学療法と手術が標準的な治療法となる。
しかし、術前化学療法は効果がある場合とない場合があり、効く場合は予後が比較的良いが、効かない場合の予後は極端に悪いことが認められている。治療効果を事前に予測する方法は存在せず、効かない場合の症例の分子機構解明にも至っていない。予後不良な骨肉腫の新規治療法開発につなげるべく、その手法が求められていた。
この状況を打開すべく国立がん研究センターは、治療前の切開生検サンプルを用いて、奏効性に関わるマイクロRNAを網羅的に調査。化学療法の奏効症例と抵抗症例を比較した。結果、「miR100」と「miR125b」という2種類のマイクロRNAの発現が、抵抗症例において著しく高いことを発見したという。
分子標的薬など新しい治療法の開発も目指す
国立がん研究センターは、この研究成果を活用した診断技術を開発すべく、今後はシスメックス株式会社と研究開発に取り組むとしている。また、術前化学療法の効果が認められない予後不良の骨肉腫症例の分子機構解析を進め、分子標的薬など新しい治療法の開発も目指すとしている。
同センターは今後も、希少がんの研究を推進していくという。
(画像はプレスリリースより)

骨肉腫の治療効果予測に有効なマイクロRNA特定 予後不良な骨肉腫の新規治療法開発を目指す - 国立研究開発法人国立がん研究センター
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