難病に指定された疾患の新たな治療選択肢となる
ノバルティスファーマ株式会社は2016年11月30日のプレスリリースで、先端巨大症と下垂体性巨人症の治療薬として2016年9月28日に製造販売承認を取得した、持続性ソマトタチンアナログ製剤「シグニフォーLAR筋注用キット」(一般名:パシレオチドパモ酸塩)の販売を2016年12月2日より開始すると発表した。
シグニフォーは、ホルモンを過剰分泌する良性腫瘍で発現しているソマトスタチン受容体に結合、活性化することによりホルモン分泌を抑制するSSA製剤で、既存のSSAで親和性の低いソマトスタチン受容体のサブタイプにも高い親和性を示した。
第1世代SSAとの比較では、成長ホルモンとインスリン様成長因子(IGF-1)のコントロールを達成し、さらに顕著な腫瘍体積の縮小、先端巨大症の臨床症状の改善傾向などを示したことから、外科的処置で効果が不十分または施行が困難な先端巨大症や下垂体性巨人症の患者に対する新たな治療選択肢となることが期待される。
欧州、米国で承認を取得した治療薬
先端巨大症は、脳下垂体に発生する良性の腫瘍により、成長ホルモンとインスリン様成長因子(IGF-1)が過剰に分泌され、手足や内臓の肥大、先端巨大症様顔貌といった身体的変化がみられる希少な内分泌疾患であり、下垂体性巨人症は、骨端軟骨線閉鎖前の成長ホルモン過剰分泌により、著しい身長増加が認められている。
いずれの疾患も下垂体前葉から慢性的に成長ホルモンが過剰に分泌されるという点で同質の疾患で、成長ホルモンの過剰分泌が長期にわたると、糖尿病、高血圧、心疾患などを引き起こすリスクが高まり、国内では「下垂体性成長ホルモン分泌亢進症」として、難病に指定されている。
シグニフォーは、2014年11月に欧州連合が先端巨大症患者に対する治療薬として承認し、2014年12月には米国においても承認を取得しました。
(画像はプレスリリースより)

プレスリリース
https://www.novartis.co.jp/ノバルティスファーマ株式会社
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