東京女子医大・杏林大学・大阪大学と共同研究
順天堂大学と国立研究開発法人日本医療研究開発機構は、11月16日、薬剤耐性マラリア対策の画期的研究ツールを開発したと発表した。
この研究は、順天堂大学医学部・熱帯医学・寄生虫病学講座の研究グループと、東京女子医大、杏林大学、大阪大学が共同で実施したもの。
ミューテーターの突然変異の特徴を解析
マラリアは、マラリア原虫がハマダラカによって媒介される感染症。未だに年間数十万人の死者を出す、人類にとって「最大の敵」であり続けている。
マラリア原虫は、マラリア治療薬に対する薬剤耐性を、突然変異により速やかに獲得する。この薬剤耐性獲得機構は、マラリア撲滅において大きな障壁になっており、機構を解明するための新しい研究ツールが世界的に切望されていた。
そこで同研究グループは、通常の約80倍の突然変異率を持つ「高頻度突然変異発生型ネズミマラリア原虫(マラリアミューテーター)」を、新たな研究ツールとして開発。進化実験を行うことで、ミューテーターの突然変異の特徴を解析した。
画期的な研究ツールになる可能性を示すもの
進化研究を行った結果、同研究グループはゲノムワイドに多様な変異が蓄積することを確認。さらに、マラリア原虫が蚊の中で増殖するために必須の因子に、高頻度に変異が入ることを発見した。
この研究成果は、薬剤耐性マラリアへの対策において画期的な研究ツールになる可能性を示すものであると、同研究グループはしている。
(画像はプレスリリースより)

薬剤耐性マラリア対策の画期的研究ツールを開発 ミューテーターでマラリアの変異を追う - 国立研究開発法人日本医療研究開発機構
http://www.amed.go.jp/news/release_20161116.html