冠動脈疾患の治療が適応
アボット バスキュラー ジャパン株式会社は、11月7日、同社の生体吸収性冠動脈ステント「Absorb」について製造販売承認を厚生労働省より取得したと発表した。
「Absorb」は、日本国内では初の溶ける冠動脈ステント。今回の承認は、冠動脈疾患の治療を適応とするもの。
血管治癒を進めつつ体内で消失
従来の金属製ステントは、血管が治癒した後も永久的に血管内に残存する。そのため金属製ステントで治療を受けた血管では、血管が本来持つ運動機能の妨げや、将来的な治療選択肢の制限などを誘発する可能性があった。
「Absorb」ステントは、体内で完全に分解される新しい冠動脈ステント。同ステントは、体内で自然に分解する素材で構成されているため、体内で消失する。狭くなった血管を拡張し血管を内側から支える役割を完了した後、血管治癒を進めつつ3年程度で分解されるという。
患者の最適な治療として提供できるよう
「Absorb」ステントには、アボット社のXIENCE薬剤溶出ステントにも用いられている細胞増殖抑制剤「エベロリムス」が使用されている。同剤は、冠動脈ステントやスキャフォールドを体内に留置した際に生じる新生内膜増殖を抑制することが示されている薬剤。
同ステントは、現在100ヵ国以上で販売されて、15万人以上の冠動脈疾患治療に用いられている。同社は、日本初となる同ステントを、患者の最適な治療として提供できるよう取り組むとしている。

アボット、日本初となる溶ける冠動脈ステントAbsorbの製造販売承認を取得 - アボット バスキュラー ジャパン株式会社
http://www.abbottvascular.jp/