世界初となる「人工RNA切断酵素」の開発に成功
岡山大学は10月28日、世界で初めて、遺伝子情報の「ゲノムRNA」を切断する人工のハサミ「人工RNA切断酵素」の開発に成功したと発表した。
この「人工RNA切断酵素」は、インフルエンザウイルスを5分以内に切断できたという。
ウイルスには「RNAウイルス」と「DNAウイルス」の2種類があるが、元々ある細胞にウイルスのDNAの情報をコピーして増殖をしていくのが「RNAウイルス」である。
ウイルスは細菌と違い、細胞を持たず、宿主の細胞を利用してコピーしていく働きがある。ウイルスの増殖を防ぐためには、ウイルスのRNAを壊してしまえば不活性化できるとの考えから開発が始まったという。
エイズウイルスやエボラウイルスなどにも応用が可能
インフルエンザウイルスを実験の対象にし、インフルエンザウイルスの遺伝情報に結合した人工RNA結合タンパク質とRNAを切断する酵素を連結することで、「人工RNA切断酵素」を作り出すことに成功したとしている。
ウイルス感染によるパンデミックは生命はもちろん経済にも大きな打撃を与え、社会不安を生む。
この革新的な技術は、エイズウイルスやエボラウイルスなどゲノムがRNAからなるウイルスに適応が可能であることから、今後創薬や予防に期待ができるとしている。岡山大学は今後、研究を進めて早期の実用化を目指すとしている。
(画像はプレスリリースより)

岡山大学 プレスリリース
http://www.okayama-u.ac.jp/