ウイルスの体内への侵入を防ぐ効果も期待
日東電工株式会社は11月2日、一般財団法人阪大微生物病研究会と共同で、10月より季節性インフルエンザHAワクチン舌下錠の第I相臨床試験を開始したと発表した。
このワクチンの大きな特長は3つ。まず、舌下に投与し唾液で溶ける錠剤であるという点。そのため注射剤のような痛みを伴うことがない。
また、既存のワクチンのように体内に侵入して増殖したウイルスを撃退するだけではなく、ウイルスの体内への侵入自体を防ぐ効果が誘導できると期待されている。
さらに、注射剤の保管が冷蔵であるのに対し常温での保管が可能である。
季節性インフルエンザHAワクチン舌下錠の早期実用化を目指す
季節性インフルエンザHAワクチン舌下錠は、2009年より大阪大学免疫学フロンティア研究センター自然免疫学研究室 審良教授の協力のもとに基礎研究を進めてきたという。
また、共同で第I相臨床試験を行っている一般財団法人阪大微生物病研究会は、大阪大学微生物病研究所における先駆的基礎研究をもとに、ワクチンを開発、製造、供給する法人である。
今回のワクチンに採用された舌下投与型製剤は、日東電工が独自に開発した新規プラットフォームである新規アジュバント(免疫誘導を促進させる物質)を用いたもの。
日東電工は、今後季節性インフルエンザHAワクチン舌下錠の1日も早い実用化を目指すとともに、ワクチン分野における同プラットフォームの幅広い展開を図っていくとしている。
(画像はプレスリリースより)

日東電工株式会社 ニュースリリース
http://www.nitto.com/jp/ja/press/2016/1102.jsp