米国第2相臨床試験の主要データを発表
タカラバイオ株式会社は、11月1日、腫瘍溶解性ウイルス「HF10」の米国第2相臨床試験における主要データを、第13回国際メラノーマ研究会議年次総会および第31回国際癌免疫学会年次総会にて発表することを明らかにした。
増殖によって直接的にがん細胞を破壊
「HF10」は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の弱毒化株。癌局所に注入することによって、顕著な抗腫瘍作用を示す。
このような作用を持つウイルスは、「腫瘍溶解性ウイルス」と呼ばれる。腫瘍溶解性ウイルスは、正常な細胞内ではほとんど増殖しない。がん細胞内において特異的に増殖し、増殖によって直接的にがん細胞を破壊する。
日本国内において腫瘍溶解性ウイルスは、2014年11月に施行された医薬品医療機器等法で新たに定義された「再生医療等製品」に該当。「条件および期限付き承認制度」による早期商業化のための制度が準備されている。
効果が期待できる治療法であることを証明
第13回国際メラノーマ研究会議年次総会は11月7日に、第31回国際癌免疫学会年次総会は11月10日に、それぞれ米国にて開催される。
タカラバイオが発表する第2相臨床試験のデータは、切除不能または転移性メラノーマ患者を対象としたものであり、評価項目は有効性・安全性・免疫学的検査。同試験において「HF10」は、安全性の高い治療法であり、効果が期待できる治療法であることが証明されたという。

がん治療薬:腫瘍溶解性ウイルスHF10の米国第2相臨床試験の主要データを発表 - タカラバイオ株式会社
http://www.takara-bio.co.jp/release/?p=3579