良好な非臨床試験結果を、米国感染症学会週間で発表
塩野義製薬株式会社は、新規注射用シデロフォアセファロスポリン抗菌薬cefiderocolが非臨床試験結果で良好な結果を示したことを、米国ルイジアナ州ニューオーリンズで開催中の米国感染症学会週間Infectious Disease Week 2016(以下「IDWeek 2016」)において発表すると報じた。
cefiderocolは、分子内にシデロフォア構造を有するセファロスポリン系抗菌薬。鉄と結合すると細菌の鉄取り込み機構を利用して効率的に菌体内に侵入し、抗菌効果を発揮する。
なお、シデロフォアは細菌が産生する鉄と結合し、細菌の成長や増殖に不可欠な鉄を菌体内に取り込む機構で重要な役割を担う物質である。
感染症患者から分離されたグラム陰性菌に対して強力な抗菌活性を示す
IDWeek 2016で発表されるのは、Cefiderocoの「感染症患者から分離されたグラム陰性菌に対する強力な抗菌活性」及び「カルバペネム系抗菌薬非感性のグラム陰性菌に対する強力な抗菌活性」に関して。
それぞれ以下のデータが、概要としてニュースリリースで公表された。
北米および欧州の患者から分離されたグラム陰性菌(緑膿菌、アシネトバクターおよび腸内細菌科細菌)8,765株の99.6%に対して、cefiderocolは4μg/ml以下の濃度で細菌の増殖を抑制する強力な抗菌活性を示した。
また、上記8,765株のグラム陰性菌には、カルバペネム系抗菌薬メロペネム非感性のグラム陰性菌が1,290株含まれていたが、cefiderocolのMIC90は、緑膿菌に対して1μg/mL、アシネトバクターに1μg/mL、腸内細菌科細菌に4μg/mLを示した。
なお、「MIC90」は、90%の臨床分離株の増殖を抑制するために必要な濃度を指す。
(画像はプレスリリースより)

塩野義製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.shionogi.co.jp/