認知症に伴うISWRD患者を対象に
エーザイ株式会社は、10月28日、同社の経口デュアルオレキシン受容体拮抗薬「lemborexant」について、認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害(以下「ISWRD」)における臨床第2相試験を開始したと発表した。
同試験は、軽度および中等度アルツハイマー型認知症に伴うISWRD患者を対象とするもの。
適応症とする薬剤は承認されていないISWRD
ISWRDは、概日リズム睡眠覚醒障害の一種。通常、健康成人では、24時間の間で昼夜交代に睡眠覚醒が繰り返されるが、ISWRDはそのパターンが崩れ、睡眠と覚醒が様々な時間帯に出現する。同疾患は、認知症などの神経変性疾患と関連することが最も多いとされている。
エーザイは、米国食品医薬品局との事前協議において、ISWRDは一般的な不眠障害とは異なることを確認。現在は同疾患を適応症とする薬剤は承認されておらず、高いアンメット・メディカル・ニーズが存在するとしている。
新たな薬剤の開発に注力
「lemborexant」は、エーザイ創製の新規低分子化合物。オレキシン受容体の2種のサブタイプに対して、オレキシンと競合的に結合する。不眠障害では、オレキシンが関与する睡眠覚醒の制御機構が正常に働いていない可能性があるため、同剤による神経伝達の阻害が睡眠導入や睡眠維持を図る可能性があるとしている。
エーザイは今後も、神経領域を重点疾患領域と位置づけ、新たな薬剤の開発に注力するとしている。
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「lemborexant」 認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害における臨床第2相試験を開始 - エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/news/news201678pdf.pdf