食道がんの進展にフソバクテリウムが関与していることが判明
熊本大学は10月24日、食道がんの進展にフソバクテリウムが関与していることが判明したと発表した。
フソバクテリウムは腸内細菌叢(以下、腸内フローラ)の1つで、歯周病や皮膚潰瘍などの病気に関わりがあると言われている。
ヘリコバクターや、ピロリ菌など腸内フローラはがんや炎症性腸疾患など様々な病気に関わりがあるとして注目を集めているが、フソバクテリウムは今まであまり注目されていなかった。
主に口腔内に多くあるが、近年、大腸がんの細胞で繁殖されていることも発見されていた。
フソバクテリウムが患者の生存期間にも関与
今回、熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科学分野の馬場教授のグループは、より口腔に近い食道にもフソバクテリウムが関わっているのではないかというところから、食道がんのがん組織にフソバクテリウムが影響しているかを調査したところ、325人の患者のうち23%の患者にフソバクテリウムが確認されたという。
また、フソバクテリウムが発見された患者と発見されなかった患者を比較したところ、発見された患者の生存期間が短いことも判明した。
このことから、食道がんの進展や予後の不良に関わってることが判明したとしている。熊本大学では、この結果からフソバクテリウムをターゲットとした治療法に可能性があるとしている。
(画像はプレスリリースより)

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