「顧みられない熱帯病(NTDs)」
エーザイ株式会社は、10月24日、マイセトーマ(菌腫)がWHO(世界保健機関)の「顧みられない熱帯病(NTDs)」リストに追加されたと発表した。
同社は、国際非営利団体DNDi(顧みられない病気の新薬開発イニシャティブ)と共に真菌性菌腫の新薬開発について共同研究開発プロジェクトを推進している。
正確なデータさえ集まっていない
マイセトーマは、南米やアフリカなどの熱帯や亜熱帯地域で蔓延する感染症。その中でも、アフリカで多く蔓延する真菌性菌腫(eumycetoma)の症状は特に重い。感染すると、手や足に巨大な腫瘍が現れ、進行すると歩行や労働が困難となる。
真菌性菌腫を含むマイセトーマは現状において、効果の高い医薬品は存在せず、疾患に関する正確なデータさえ集まっていない。重症の場合、患者はやがて患部の切断を余儀なくされるため、疾患による失業や高額な治療費の負担に加えて社会的偏見という苦痛も強いられている。
今後も治療薬の開発に努める
WHOは2016年5月、マイセトーマを「人類の中で制圧しなければならない熱帯病」として定義するNTDsのリストに新たに追加することを決議。これにより、今後はWHOと各国の保健当局によるマイセトーマ制圧に向けたより詳細な疫学調査や制圧戦略の検討が開始される。
エーザイは現在、真菌性菌腫の新薬「E1224(ホスラブコナゾール)」を用いた研究を、DNDiの主導で進行中。今後も、治療薬の開発に努めるとしている。
(画像はイメージです)

マイセトーマ(菌腫)がWHO(世界保健機関)の「顧みられない熱帯病(NTDs)」リストに追加 - エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/company/atm/activities/27.html