新患登録は中止、安全措置講じて既登録患者で試験継続
がん領域における開発パイプラインの拡充を進めている第一三共株式会社は、10月21日、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブの腱滑膜巨細胞腫(TGCT)を目標適応とした第3相臨床試験(ENLIVEN試験)について、独立データモニタリング委員会の勧告に従った対応を発表した。
第一三共は、同試験において新規患者登録については試験を中断。同時に、安全措置を講じたうえで既登録患者にて試験を継続するものとしている。
腱滑膜巨細胞腫(TGCT)は良性の腫瘍で、関節の内側の組織が炎症や異常増殖を起こすことが特徴。痛みや動作の制限を伴うが、現在は手術による腫瘍の除去以外の有効な全身療法が発見されていない。
重篤な肝障害症例報告から独立データモニタリング委員会が勧告
TGCT患者を対象とした、欧米で実施中の多施設共同試験であるENLIVEN試験は、126名の患者登録計画に対して121名が登録されたが、非致死性の重篤な肝障害症例が2例報告された。
このことから独立データモニタリング委員会は、第一三共に対し新規患者登録を中断し、本試験の盲検試験の継続を前提にした安全措置を講じるよう勧告。同社は勧告に従った対応を取った。
第一三共は、当試験に登録されているすべての患者に対して最新の安全性情報を提供し、再度、本人同意を取得のうえ当試験を継続するとしている。
(画像はプレスリリースより)

第一三共株式会社 ニュースリリース
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006537.html