抗血小板剤プラスグレルの、PRASTRO-I試験およびPRASTRO-II試験を実施
第一三共株式会社は10月21日、虚血性脳血管障害患者を対象とした抗血小板剤プラスグレル塩酸塩(以下「プラスグレル」)の、国内第3相臨床試験(PRASTRO-I試験およびPRASTRO-II試験)における結果を公表した。
第一三共と宇部興産株式会社が創製したプラスグレルは、経皮的冠動脈形成術が適用される虚血性心疾患患者に対し、早期から維持期にかけて安定した抗血小板作用と、優れた心血管イベント抑制効果を示すことが国内及び海外の臨床試験で確認されている。
PRASTRO-Ⅰ試験で、脳心血管系イベント発現抑制に対する主要評価項目を達成せず
PRASTRO-I試験は、年齢75歳未満で体重50kg超の虚血性脳血管障害患者(心原性脳塞栓症は除く)3,747例を対象に実施。
プラスグレル3.75mg1日1回投与の有効性について、クロピドグレル75mg1日1回投与に対する非劣性を検証した結果、今回の試験では、脳梗塞症、心筋梗塞症、その他血管死等、脳心血管系イベントに対する発現の抑制について、主要評価項目を達成しなかった。
なお、プラスグレルの新たな安全性上の懸念は認められなかったとしている。
PRASTRO-II試験は、主要・副次各評価項目で目的達成
PRASTRO-II試験は、年齢75歳以上または体重50 kg以下の虚血性脳血管障害患者(心原性脳塞栓症は除く)654例を対象に実施。
プラスグレル3.75 mgまたは2.5 mg 1日1回投与の安全性について、クロピドグレル50 mg 1日1回投与を対照に評価し、今回の試験では、主要評価項目(臨床上重要な出血性イベントの発現頻度)および副次評価項目(脳心血管系イベントの発現頻度)について評価し、所期の目的を達成した。
第一三共は、今後両試験結果の詳細について、学会等で公表する予定としている。
(画像はプレスリリースより)

第一三共株式会社 ニュースリリース
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