開発中のHCVレジメンが米国で画期的治療薬に指定
2016年9月30日に米国FDAにより、アッヴィ社が開発中のHCV(慢性C型肝炎ウィルス)患者に対する治療薬、パンジェノ型レジメンが画期的治療薬として指定され、続けて同内容が日本でも2016年10月7日に発表された。
画期的治療薬とは非常に重篤な疾患に対する開発中治療薬の内、暫定的な臨床試験データに基づき既存の治療を大幅に改善又は進歩させる可能性が高い薬品に付与されるものである。
今回指定されたHCVレジメンは、既存の直接作用型抗ウィルス薬による治療が困難若しくは無効であったジェノタイプ型の患者を対象として開発されていたもの。
全てのジェノタイプを対象とするパンジェノ型レジメンは、HCVジェノタイプ1~6型の治療薬として評価された。
この米国FDAによる画期的治療薬指定は、慢性HCV患者の治療に有効であるパンジェノ型レジメンを全ての市場に導入するという、アッヴィ社の重要な取り組みの第1歩となるものであり、今後の学会でのさらなる有効性や安全性を提示した臨床試験データの発表が注目されている。
HCV、慢性C型肝炎ウィルスとは
慢性C型肝炎とはC型肝炎ウィルス感染後、6か月以上継続して肝臓の炎症が続くことを指す。
肝臓は沈黙の臓器と言われ、初期の自覚症状はほとんど見られないが、HCVに感染した患者のおよそ7割が持続感染者となることが判明しており、慢性肝炎、肝硬変、肝がんと進行していく病である。
現在推定でも日本国内に100人に1人~2人ものC型肝炎患者がいるとされていて、早急な治療法の確立が求められている。

アッヴィ公式サイト プレスリリース
http://www.abbvie.co.jp/