「生物統計講座」で生物統計家の育成
日本医療研究開発機構(以下、AMED)は4日、質の高い臨床研究と治験を実施するため人材が不足している生物統計家の育成に乗り出すことを発表した。育成の拠点として東京大学と京都大学の2大学院に寄附講座「生物統計講座」を設置することを決め、2018年度からスタートさせる。
経緯
質の高い臨床研究・治験を実施するためには、生物統計家が臨床研究と治験の初期段階から最終段階まで関与し、適切な研究計画設計、研究計画書の作成、データ解析、報告書作成等に関わることが極めて重要となる。従って、実務家としての生物統計家を育成し、臨床研究実施機関に送り出すサイクルを早急に確立することが求められている。
産学官一体の事業
そこで、AMEDは、製薬業界の協力のもと、実務家としての高い倫理性、科学的客観性をもつ生物統計家を、座学及び臨床現場での臨床研究実施研修を通じて育成する「生物統計家育成支援事業」を立ち上げることになった。
本事業は、製薬事業からの寄付金と国からの研究資金をAMEDが集約し、育成拠点に助成金及び研究開発費として一括して配分し、産学官が一体となって国内の臨床研究全体の質向上に繋げていく環境整備事業であり、このような資金の流れでの産学官共同プロジェクトは日本で初めての取り組みとなる。

日本医療研究開発機構 プレスリリース
http://www.amed.go.jp/news/release_20161004.html