第2相開発に助成、第3相開発のオプションも
サノフィ株式会社は2016年9月30日のプレスリリースで、サノフィのワクチン領域のグローバルビジネスユニットであるサノフィパスツールの不活化ジカ熱ワクチン研究について、アメリカ保健福祉省の事前準備対応次官補局の一部門であるアメリカ生物医学先端研究開発局(BARDA)から、第2相開発に向けた製造に対する助成先として、2016年9月26日に承認されたと発表した。
BARDAの助成金は4,320万ドル(約44億円)に上り、アメリカウォルター・リード陸軍研究所(WRAIR)のジカ熱精製不活化ウイルス(ZPIV)ワクチンを第2相開発に進めるためのワクチンの製造と特性評価、及び製造収率向上のための上流工程の最適化にあてる予定となっている。
また、BARDAとの契約には、2件の第1相及び第2相の臨床試験に対するBARDAの助成の他に、第3相開発においても支援を継続するオプションが存在するとのこと。
アメリカ政府と連携して開発を推進
サノフィパスツールは、2016年2月に世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言した直後から、ジカウイルスによる感染と発症の予防に向けたワクチンの研究開発に取り組み、2016年7月、WRAI)と提携しジカ熱ワクチンの候補物質の共同開発を行う共同研究開発契約を締結したことを発表している。
エグゼクティブ・バイスプレジデントサノフィパスツールヘッドのデイビッド・ロウ氏は、「ジカウイルスに感染している妊婦の胎児に重大な影響を及ぼす可能性があること、またこの感染症が急速に拡大しつつある事態に鑑み、サノフィパスツールは、ワクチン開発に早期から参画することを決定した。アメリカ政府にジカ熱ワクチンの開発に協力いただき嬉しく思い、アメリカ政府と連携し、この公衆衛生上の問題に対応するために不可欠なリソースと専門知識を結集し、開発に取り組んでいく」と述べた。

プレスリリース
http://www.sanofi.co.jp/サノフィ株式会社
http://www.sanofi.co.jp/