「キックリンカプセル」の追加剤形
アステラス製薬株式会社は、9月28日、高リン血症治療剤「キックリン顆粒86.2%」について日本における製造販売承認を取得したと発表した。
同剤は、「キックリンカプセル250mg」の追加剤形として、慢性腎臓病患者における高リン血症の改善の効能・効果で承認が申請されていたもの。承認取得は、9月21日付で行われている。
血清リン濃度の適正維持が重要
腎機能が低下した慢性腎臓病患者では、腎臓からリンが十分に排泄されなくなる。そのため、体内にリンが蓄積し、高リン血症を発症する。高リン血症が持続した場合、腎性骨症や虚血性心疾患のリスクが高くなるため、血清リン濃度を適正値に維持することが極めて重要となる。
「キックリン」は、米国Ilypsa, Inc.(現Amgen Inc.子会社)が創製したアミン機能性ポリマー。消化管内でリン酸と結合し体内へのリン酸吸収を阻害することで、血清リン濃度の低下が期待できる。アステラス製薬は2006年4月、日本における同剤の独占的開発・販売に関するライセンス契約を締結している。
高リン血症治療に一層貢献
アステラス製薬は2012年6月、透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の改善の効能・効果で「キックリンカプセル」を発売した。また2016年2月、保存期慢性腎臓病患者における高リン血症改善の効能・効果で追加承認も取得している。
同社は、服薬時の利便性向上が期待できる同剤を日本市場へ投入することで、高リン血症治療に一層貢献できることを期待しているという。

高リン血症治療剤キックリン顆粒 日本での承認取得のお知らせ - アステラス製薬株式会社
https://www.astellas.com/