がん幹細胞が腫瘍内で血管系を形成することを証明
岡山大学大学院自然科学研究科(工)ナノバイオシステム分子設計学研究室(以下、岡山大学)は9月26日にがん幹細胞が腫瘍内で血管系を形成することを証明したことを発表した。
この研究結果は今月末に「American Journal of Cancer Research」で公開される。
これは岡山大学の妹尾教授らのグループが取り組んでいた研究で、2012年にiPS細胞からがん幹細胞を作成することに成功し、2014年にはiPS細胞から異なる種類のがん幹細胞を作ることにも成功している。
新たな制がん剤開発への応用が期待
がんにはもともと血管はないため、大きくなることができない。そのためがんは新しい血管を作り、酵素や栄養を取り入れようとする働きがあり、これが血管新生といわれ、進行性のがんの原因とされている。
これまで、がん幹細胞が腫瘍細胞の血管内皮細胞への分化や疑似血管に関わりがあると推測されていた。
岡山大学ではマウスのiPS細胞を使い、1つのがん幹細胞がんから血管内皮細胞と疑似血管細胞が作り出され、腫瘍内で血管系が形成されることを証明できたとしている。
岡山大学は今後、今回の研究結果から効果的に腫瘍内の血管を標的とする制がん剤開発への応用が期待できるとしている。
(画像はプレスリリースより)

岡山大学 プレスリリース
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id417.html