中外製薬が開発中の「nemolizumab」
中外製薬株式会社とマルホ株式会社は、9月28日、新規生物学的製剤「nemolizumab(CIM331)」の皮膚科疾患領域における国内ライセンス契約を締結したと発表した。
「nemolizumab」は、アトピー性皮膚炎および透析そう痒症を予定適応症として中外製薬が開発中の抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体。今回の契約締結により、同剤の皮膚科疾患領域における国内の開発・販売権が、マルホへ許諾される。
第2相国際共同治験を実施中
IL-31はそう痒誘発性サイトカインであり、アトピー性皮膚炎および透析患者におけるそう痒の発生に関与していることが報告されている。「nemolizumab」は、IL-31とそのレセプターの結合を競合的に阻害。IL-31の生物学的作用を抑制し、薬効を発揮する。
中外製薬は同剤について現在、欧米と日本を含む5カ国において中等症から重症のアトピー性皮膚炎を対象とする第2相国際共同治験を実施中。12週時における良好な有効性と安全性を確認したという。また日本国内では、透析そう痒症を対象とする第2相臨床試験が進行している。
製品の供給も行う
今回の国内ライセンス契約締結により中外製薬は、「nemolizumab」の国内皮膚科疾患領域における開発・販売の実施権を、マルホに対して許諾する。また、マルホに対して製品の供給も行うとしている。
マルホは、許諾の対価として契約一時金などを中外製薬に対して支払う。なお、透析そう痒症における開発・販売については、中外製薬が継続して実施する予定。

新規生物学的製剤nemolizumabの皮膚科疾患領域における国内ライセンス契約を締結 - 中外製薬株式会社
http://www.chugai-pharm.co.jp/