新たな治療選択肢が提示された
東北大学は、3月16日、同学病院糖尿病代謝科の研究グループが、脂肪萎縮性糖尿病をSGLT2阻害薬によって改善することに成功したと発表した。
脂肪萎縮性糖尿病は難病に指定されている疾患であり、SGLT2阻害薬は糖尿病の内服薬。同疾患に対する新たな治療選択肢が提示されたと、同学はしている。
厚生労働省から難病に指定
脂肪萎縮性糖尿病は、重症かつ難治性の糖尿病の一種であり、先天的、あるいはAIDSの治療薬などによって後天的に発症する。皮下注射によるレプチン補充療法が有効な治療法だが、高価であり、注射時痛で治療継続が困難な場合もある。改善が難しいため、厚生労働省から難病に指定されている。
同研究グループは、脂肪萎縮症の中でも特に重症な糖尿病を呈する先天性全身性脂肪萎縮症に対して、比較的安価な経口薬であるSGLT2阻害薬「イプラグリフロジン」を投与した。結果、脂肪肝が減少し、インスリン抵抗性の著明な改善が確認できたという。
内服薬であるため注射時痛もない
SGLT2阻害薬は、脂肪燃焼による内臓脂肪減少効果が報告されている薬剤。今回の結果においても、その効果が糖尿病の改善につながったと、同研究グループはしている。
同剤は、通常診療で用いられ保険適応となっている治療であり、また内服薬であるため注射時痛も存在しない。これらの利点から同治療は、病態改善メカニズム・医療経済・治療アドヒアランスの各面から脂肪萎縮性糖尿病に対してきわめて有用であると、同学はしている。
(画像はプレスリリースより)

内服薬により難病指定の糖尿病一亜型の治療に成功 - 東北大学
http://www.tohoku.ac.jp/