米国医師会雑誌に掲載
東北大学は、3月21日、同学医学系研究科・川副友助教らの研究グループが、敗血症における鎮静剤「デクスメデトミジン」の治療効果を検証したと発表した。
なおこの研究結果は同日、米国医師会雑誌「Journal of the American Medical Association」に掲載された。
鎮静管理の質が良くなることを検証
「デクスメデトミジン」は、臨床現場では広く普及している鎮静剤。脳内のαアドレナリン受容体に作用して効果を発揮するため、他に汎用される鎮静剤と異なる特徴を持つ。鎮痛効果と交感神経興奮抑制効果を併せ持ち、動物実験では抗炎症効果を有することも報告されている。
2010年、「デクスメデトミジン」を投与された敗血症患者の生命予後が良好であったという研究が、欧米より報告された。同研究グループはこの報告を受け、最初から人工呼吸器管理を要する敗血症患者だけを対象にする、よりエビデンスレベルの高い研究を計画。「デクスメデトミジン」を投与すると、鎮静管理の質が良くなることを、ランダム化比較対照試験で検証した。
敗血症患者201名を対象として試験を実施
同試験は、2013年2月より2016年1月にかけて、敗血症患者201名を対象として実施された。
結果、「デクスメデトミジン」を用いて鎮静した方が質の良い鎮静であったことが、統計学的有意差をもって明らかになった。また、統計学的には有意でないものの、生存についても同剤投与群は良好な傾向を見せたという。
(画像は東北大学の公式ホームページより)

敗血症におけるデクスメデトミジンの治療効果を検証 - 東北大学
http://www.tohoku.ac.jp/