契約締結時一時金で11億円超
アステラス製薬株式会社は2017年2月28日のニュースリリースで、米国Affinivax社の多重抗原提示システム(MAPS: Multiple Antigen Presentation System)技術を利用して創製した肺炎球菌起因疾患を対象としたワクチンについて、全世界における開発・商業化に関する独占的ライセンス契約をAffinivax社と締結したと発表した。
アステラス製薬は今後、今回の契約締結に基づき、ワクチンの開発・商業化に要する費用として、Affinivax社に対して1000万ドル(約11.2億円)の契約締結時一時金、開発の進捗に応じた対価及び製品リリース後の売上高に応じた対価を支払い、さらに正味売上高に応じたロイヤルティを支払うことになる。
画期的なMAPS技術で創製した肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌は健常な小児や成人の上気道で高頻度に見つかる細菌で、米国ではその肺炎球菌に起因する疾患に年間約90万人が罹患し、その内約40万人が入院、約5万人が死亡し、全世界、特に新興国では年間約160万人が死亡し、その約半分が5歳以下の小児であると言われている。
肺炎球菌は肺炎、髄膜炎、敗血症等を引き起こす可能性があり、世界規模の公衆衛生問題となっていることから、より予防効果の高いワクチンが待ち望まれている。
今回のAffinivax社のワクチンは、MAPS技術を利用して創製した糖鎖抗原とタンパク質抗原の両方から成る肺炎球菌ワクチンであり、既存のワクチンと比較して侵襲性感染症に対する広範囲の予防効果を発揮し、さらに上咽頭における病原菌のコロニー形成を抑制する効果・効能が期待されている。
(画像は米国Affinivax社のサイトより)

アステラス製薬株式会社ニュースリリース
https://www.astellas.com/米国Affinivax社
http://affinivax.com/