ALKチロシンキナーゼの活性を阻害
中外製薬株式会社は2017年2月27日のニュースリリースで、子会社の台湾中外製薬股份有限公司がALK阻害剤「アレセンサ(R)」について台湾衛生福利部食品薬物管理署(台湾FDA)より、「クリゾチニブに不応または不耐容のALK陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)」に対する承認を取得したと発表した。
アレセンサは中外製薬が創製したALK選択性が高い経口のALK阻害剤で、NSCLCの約5%で報告されているALK融合遺伝子が発現している細胞における、ALKチロシンキナーゼの活性を選択的に阻害し、腫瘍細胞の増殖を制御して細胞死を誘導することで抗腫瘍効果を発揮する。
さらにアレセンサは、薬剤を脳から能動的に排出するポンプである血液脳関門で認識されないため、中枢神経系において活性があり、脳転移に対しても有効性が確認されている。
台湾の患者に福音をもたらす
中外製薬の上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメントユニット長である伊東康氏は、台湾FDAによるアレセンサの承認によって、疾患と闘っている台湾の患者に福音をもたらすことを確信しているとし、また、中外製薬が創製したアレセンサがALK陽性NSCLCの治療に貢献できることを嬉しく思うと述べている。
現在、海外においては、米国、クウェート、イスラエル、香港、カナダ、韓国、スイス、欧州および今回の台湾で前述した効能・効果で承認を取得しており、国内では「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を効能・効果として、販売名「アレセンサ(R)カプセル150mg」で中外製薬が販売している。
(画像は中外製薬株式会社のサイトより)

中外製薬株式会社ニュースリリース
https://www.chugai-pharm.co.jp/中外製薬株式会社
https://www.chugai-pharm.co.jp/