生存期間が有意に延長
中外製薬株式会社(以下、中外製薬)は、3月3日、F. ホフマン・ラ・ロシュ社(以下、ロシュ社)のPerjetaによるHER2陽性早期乳がん患者を対象とした臨床試験の結果を公表した。
Perjetaは中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているロシュ社が開発した抗HER2ヒト化モノクローナル抗体で、2013年9月に「パージェタ(R)点滴静注420mg/14ML」(以下、パージェタ)として日本でも製造販売されている。
適用は「HER2陽性の手術不能又は再発乳がん」だが、今回、早期乳がんでの臨床試験で、PerjetaとHerceptin、化学療法を併用した場合とHerceptinと化学療法を併用した場合とを比較したところ、浸潤性疾患のない生存期間が有意に延長したことが示されたという。
ロシュ社は、今回の結果を基に、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)を含む各国の規制当局と協議するとしている。
HER2陽性の胃がんについても臨床試験中
乳がんの日本での新規罹患患者数は2015年から2019年で、約60,000人と推計されており、そのうち約20%がHER2陽性と診断され、再発の危険性が高い予後因子の1つとされている。
また、現在、Perjetaの国内での治験はHER2陽性の胃がんについても現在行われている。
(画像は中外製薬株式会社HPより)

中外製薬株式会社 ニュースリリース
https://www.chugai-pharm.co.jp/