新たなぜん息治療薬候補、ベンラリツマブ
前立腺ガン治療薬などを開発・製造するアストラゼネカ社は、ぜん息の治療薬候補であるベンラリツマブ(benralizumab)のフェーズ3試験が開始したと発表した。ベンラリツマブは同社の生物製剤研究・開発部門であるメッドイミューンが開発。
試験は、大量の吸入コルチコステロイド剤と併用して長時間作用型β作用薬などの抑制剤が投与されているにもかかわらず、深刻なぜん息が抑制されていない患者を対象に行われ、新薬が悪化患者の数を減少させることができれば成功となる。
新薬の特徴
ベンラリツマブはインターロイキン5受容体(IL-5Rα)と結合した単クローン性の抗体だ。IL-5Rαは白血球の一種であり、ぜん息の深刻度や、ぜん息の悪化に重要な役割を果たす、好酸球を減少させる。
最近の研究では、好酸球数が上昇した患者は、ガイドラインに基づいた治療に加え、IL-5抑制剤を投与すると、ぜん息管理を改善し、発作の頻度をさげるという証拠が示されている。
「ベンラリツマブの開発は、個別治療によって慢性呼吸病に対処し、最終的には病気の経過に変化を与えるという我々の挑戦を強調してくれています。この新薬は、いまだ満たされていない、限定された治療オプションしかない深刻で抑制不可能なぜん息患者のような、医療ニーズに対処する力をもっています」(アストラゼネガ社副社長兼グローバル医薬品開発ユニット呼吸器&炎症、神経科学室長のウィリアム・メッザノット氏)

AstraZeneca advances MedImmune’s benralizumab to Phase III in severe asthma
http://www.astrazeneca.com