バルセロナで開催されたECCO
武田薬品工業株式会社は、2月20日、クローン病および潰瘍性大腸炎を対象として開発中の薬剤「vedolizumab」について、非盲検長期投与試験結果を学会にて発表したことを明らかにした。
この発表は、2月15日から18日にかけてバルセロナで開催された「第12回Congress of the European Crohn’s and Colitis Organisation(ECCO)」にて行われたもの。
α4β7インテグリンを特異的に阻害
潰瘍性大腸炎およびクローン病は、炎症性腸疾患の二大疾患。潰瘍性大腸炎は、直腸・結腸を含む大腸のみに発現し、腹部不快感・下痢時の出血・排膿が症状としてよく見られる。クローン病は、消化管内部のあらゆる部位で炎症を惹起し、腹痛・下痢・直腸出血・体重減少・発熱が症状として挙げられる。両疾患は共に、正確な原因がいまだ不明だ。
「vedolizumab」は、消化管においてα4β7インテグリンを特異的に阻害する、ヒト化モノクローナル抗体。α4β7インテグリンの結合を阻害することによって、特定の白血球が腸組織へ浸潤することを抑制できると考えられている。
5年以上にわたり臨床的奏効・寛解の維持を実現
今回ECCOにおいて発表されたのは、「vedolizumab」の非盲検長期投与試験における中間解析結果。この結果では、同剤の長期治療が5年以上にわたる臨床的奏効・寛解の維持を実現し、健康に関連するクオリティ・オブ・ライフ(HRQL)の改善をもたらすことが示されたという。
なお発表は、6つの口頭発表および15のポスター発表という形で行われている。武田薬品は今後も、潰瘍性大腸炎またはクローン病を有する患者をサポートし続けるという。
(画像は武田薬品の公式ホームページより)

潰瘍性大腸炎およびクローン病患者を対象としたvedolizumabの長期投与試験結果の発表について - 武田薬品工業株式会社
http://www.takeda.co.jp/news/2017/20170220_7718.html