ネズミを対象に実験
スクリプス研究所(TSRI)と国際エイズワクチン推進構想(IAVI)とロックフェラー大学の研究者らは18日、AIDSに対抗する実験的なワクチン候補がネズミの体内でHIV感染をブロックするネズミの免疫システムを刺激したと発表した。これは人体へも同様の効果が得られると期待される。
恐るべきHIVウイルス
HIVはほかのどのウイルスよりも急速に変異し新しい株をつくり増殖する。そして免疫システムに侵入する前代未聞の能力をもっている。
研究者らは人間の体内にHIVを拘束し全てではなくても変形を繰り返す多くのウイルスの動きを止め、感染を妨げる抗体ができるよう促すワクチンをつくることを長年目標としてきた。
新型ワクチンOD-GT8 60mer
研究者らは、以前より効果的なAIDSワクチンは抗原がHIVウイルスと似ていてるものから成り立つ必要があり、体内に入れることで人間が自身の免疫力で、その抗体の効力を打ち消すよう体を適応させるよう鍛えていくものだと信じてきた。
一方、今回の新しい研究では研究者達はネズミを対象にeOD-GT8 60merと呼ばれる抗原をテストした。この抗原はHIVの被膜タンパク質の重要な部分を真似て設計されたナノ粒子でHIVと戦うために必要な抗体をつくるために必要なB細胞を収束し活性化させる。
研究者らは、eOD-GT8 60merを利用することで、体内の免疫システムがHIVを認識し感染を妨げるために必要ないくつかの性質をもつ抗体の先駆けとなるものを作り出し、それがHIVに対する免疫化の最初の一歩になるだろうと発表した。
近い将来実用化か
免疫化はネズミの免疫システムを対象とした実験では成功している。研究者らは現在他の生物の免疫システムでもうまくいくか調査中だ。
同時期にオランダで行われた研究ではウサギ、サルの免疫システムでも成功している。
(画像はニュースリリースより)

The Scripps Research Institute ニュースリリース
http://www.scripps.edu/news/press/2015