新規のデュアルエンドセリン受容体拮抗薬
日本新薬株式会社は、アクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパン株式会社(以下、アクテリオンジャパン)と共同開発した肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療剤「オプスミット錠」の販売を2015年6月9日に開始した。
オプスミット(一般名マシテンタン)はエンドセリン受容体拮抗薬(ERA)を標的として独自の創薬プロセスで開発され、2015年3月に製造販売の承認を取得している。
国際共同第III相臨床試験(SERAPHIN試験)でmorbidity/mortality複合エンドポイントの発現リスクがプラセボより45%減少、国内臨床試験では肺血管抵抗や6分間歩行距離などが改善した。
PAHの治療に新たな選択肢
PAHは心臓と肺の間の動脈の血圧が異常に高くなる難治性の疾患。軽度の息切れ、疲労感から右心不全、生命の脅威まで多様な症状を呈する。この10年間で病態生理学的な解明が進み、治療ガイドラインと治療法の開発が進められている。
薬剤には、病因の3つの機序を標的にした、エンドセリン受容体拮抗薬(ERA)、IP受容体作動薬(プロスタサイクリン誘導体)、PDE5阻害薬(ホスホジエステラーゼ-5阻害薬)がある。
日本新薬では発売中の「アドシルカ錠」に今回のオプスミットが連なり、さらに、開発中のセレキシパグを加えると、国内で汎用されている全3種類のPAH治療剤が揃う。
「オプスミット10mg」は1箱PTP30錠入りで価格は14,594円。成人でマシテンタン1錠を1日に1回経口投与する。販売はアクテリオンジャパンが担当し、日本新薬とアクテリオンジャパンが共同で販促活動を展開する。
(画像はプレスリリースより)

日本新薬株式会社 プレスリリース
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