進行がんに対する他の化学療法剤との併用で
2015年6月2日、大日本住友製薬株式会社は、同社が開発中の抗がん剤「BBI608」および「BBI503」について、6月1日に米国臨床腫瘍学会にて複数のがん種に対するデータが発表されたことを明らかにした。
「BBI608」は遺伝子の転写に関与するタンパク質「Stat3」をターゲットとする低分子経口剤で、がん幹細胞性の維持に重要な遺伝子を阻害する働きがある。
今回発表されたデータで、パクリタキセル、パニツムマブなどの化学療法剤との併用における、さまざまな進行がんに対する同剤の抗腫瘍活性が示唆された。
現在、同剤については前治療歴のある進行性の胃または食道胃接合部腺がん患者を対象にパクリタキセルとの併用を評価するBRIGHTER試験が進行中となっている。
「BBI503」は進行性結腸直腸がんに対する抗腫瘍活性を示唆
「BBI503」は細胞内に存在する別の分子を活性化させる「キナーゼ」をターゲットとする低分子経口剤である。多能性と自己複製能維持のシグナル伝達系に関与するホメオドメインタンパク質「Nanog」等のがん幹細胞に関わる経路を阻害するよう設計されたものだ。
今回発表されたデータでは進行性の結腸直腸がん患者に対する抗腫瘍活性が示唆されている。

大日本住友製薬株式会社 プレスリリース
http://www.ds-pharma.co.jp/pdf_view.php?id=677