TNFアルファ阻害薬「セルトリズマブ ペゴル」
アステラス製薬株式会社とユーシービージャパン株式会社は、5月26日、共同開発ならびに商業化を進めているPEG化TNFアルファ(腫瘍壊死因子アルファ)阻害薬「セルトリズマブ ペゴル」(日本での製品名「シムジア(R)」)について、日本における効能・効果の追加に関する一部変更承認を取得したと発表した。
これまで「シムジア(R)」の使用は、関節リウマチ治療において既存薬では十分な効果が得られない場合のみに限定されていた。今回の追加承認より、抗リウマチ薬による治療経験がない場合でも、関節の構造的損傷が悪化する恐れが高いと判断される患者に対する投与が可能となった。
国内での臨床試験の結果
今回の承認取得は、メトトレキサート(MTX)による治療歴のない関節リウマチ患者を対象とした国内での臨床試験結果によるもので、「シムジア(R)」が関節の構造的損傷の悪化をおさえ、症状を改善することが認められた。海外ではすでにその使用が承認されている。
これにより、添付文書の内容は、以下のように変更された。
【効能・効果】
関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
【効能・効果に関連する使用上の注意】
本剤の適用は、原則として既存治療で効果不十分な関節リウマチ患者に限定すること。ただし、関節の構造的損傷の進展リスクが高いと推測される患者に対しては、抗リウマチ薬による治療歴がない場合でも使用できるが、最新のガイドライン等を参照した上で、患者の状態を評価し、本剤の使用の必要性を慎重に判断すること。
(プレスリリースより引用)
関節リウマチとは
関節リウマチは、進行性の自己免疫疾患で、手首、膝などの関節に慢性の炎症を引き起こす。症状が重い場合は、内臓や血管系などに影響を与えることもある。関節リウマチ患者は、世界で500万人、日本では約65万人と推定され、女性は男性の約3倍の罹患率といわれている。40~50歳に発症することが多い。

アステラス製薬/ユーシービージャパン プレスリリース
http://www.astellas.com/jp/corporate/news/pdf/150526_3_Jp.pdf