世界初の週1回投与での経口血糖降下薬
武田薬品工業株式会社は、2015年5月28日、2型糖尿病治療剤「ザファテック(R)錠50mg、同錠100mg」(一般名:トレラグリプチンコハク酸塩、以下、ザファテック)を日本で発売したことを発表した。同剤は世界初の週1回の経口血糖降下薬。
ザファテック
同剤は、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害剤で、血糖調節の際に重要な役割を担うインスリン分泌を促進する消化管ホルモンであるグルカゴン様ペプチド-1とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチドの不活化をもたらすDPP-4のみを持続的に阻害する。
その結果、インスリンの分泌を血糖値に応じて高めることが可能となり、血糖値をコントロールできる。
週1回以上の服用でも、複数の臨床第3相試験(2型糖尿病患者を対象として日本で実施)において、1日1回投与のDPP-4阻害剤と変わらない血糖低下作用が確認されている。
発売の背景
現在、日本における糖尿病の有病率は高率で推移しており、厚生労働省が実施した「平成24年国民健康・栄養調査結果」によれば、糖尿病が強く疑われる人は約950万人、糖尿病の可能性を否定できない人は約1100万人にのぼると推計されている。
また、2型糖尿病患者の治療に対する服薬スケジュールは複雑で、1日に複数回の薬剤を服用することが多く、血糖コントロールのため長期にわたる治療を続ける必要がある。同剤は週1回投与で良好な血糖コントロールを可能とするため、患者の負担軽減と飲み忘れを減らすという服薬アドヒアランスの向上が期待されている。

武田薬品工業株式会社 ニュースリリース
http://www.takeda.co.jp/news/2015/20150528_6998.html