社会問題化されている肥満
肥満症は、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの合併症を引き起こしやすい。また、これ以外にもさまざまな生活習慣病の原因にもなる。治療法は、食生活の改善、運動療法による減量が効果的とされているが、なかなか実施できていないことが多い。
米国では、成人の3分の2以上が肥満または過体重で、ここ30年ほどで、肥満率が2倍以上に増加していると、米国疾病対策予防センターが示している。これを踏まえて、「エーザイ株式会社」の米国子会社「Eisai Inc.」が、肥満の治療の選択肢を増やすため、2013年6月から発売している【BELVIQ(R)】のMRの体制を強化し、肥満治療に関与する医療関係者に対して情報提供を順次行うようだ。
食生活の変化により日本でも肥満対策
この肥満への対策研究が、日本でも行われている。横浜市立大学医学部の研究チームが、内臓脂肪型肥満に対する漢方薬で改善効果が見られることを科学的に解明している。
今回注目された薬は【防風通聖散(つうしょうさん)】で、高血圧の随伴症状に効果・効能がある漢方薬。医師が処方した場合は、保険も適用される。この漢方薬によって食欲増進ホルモンを低下させるというメカニズムを発見したという。
肥満症はもはや国を問わず問題視されている。いくら治療薬があるとはいえ、適応されるのは重症例のごく一部に限られているようだ。肥満症になる前に、日々の自分の食生活や生活態度を少しずつ意識して変え、自分の努力で肥満にならないようにすることが大切なのかもしれない。

エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/神奈川新聞社 カナロコ
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1310190005/