最大8万人のゲノム探索
アストラゼネカは、カナダのMontreal Heart Institute (以下、MHI)と循環器疾患および糖尿病、ならびにそれらの合併症と治療アウトカムにかかわる遺伝子について、最大8万人の患者のゲノム探索の共同研究を行うと発表した。
MHI
MHIは、Dr. Paul Davidにより1954年に創設されたモントリオール大学の付属機関。臨床ならびに基礎研究、個別化医療、専門家研修および予防の領域を強みとしている。
循環器疾患および糖尿病などとその合併症の生物学的メカニズムの解明
この共同研究において、MHIはアストラゼネカの広範なバイオバンクから最大8万件のDNA検体の遺伝子型を解析する。研究に用いられる検体には、循環器疾患および糖尿病治療薬の臨床試験に参加した患者から、インフォームドコンセントのもと12年間にわたり採取した組織と血液の両方が含まれる。
MHIの薬理ゲノミクスセンターは、まずゲノムワイドSNP(一塩基多型)解析とよばれる手法を用いて、循環器疾患および糖尿病の素因あるいは疾患を引き起こす領域、もしくは治療薬への反応に関与する領域を同定。
その後、次世代シークエンシング等の他の技術を応用し、対象領域の全ゲノムシークエンシングを行い、疾患、合併症(心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病性の腎症や網膜症等)、薬剤反応性における治療結果にかかわる新たな遺伝子を同定する。
また、これらの解析によって、どの遺伝形質がより良い治療結果と関連するのかも明らかにするという。そして、検体の遺伝子型(判定)から得た結果は、特定の遺伝子プロファイルを有する患者群を治療するために特別に設計された新薬の開発に活用するとしている。

アストラゼネカ ニュースリリース
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