LSIIがClioを連結子会社化
株式会社生命科学インスティテュートは株式会社Clioの全株式を取得し、連結子会社とした。株式会社ClioはMuse細胞を利用した再生医療開発を進めており、同社はその分野への参入を図った。
同社は2014年4月に株式会社三菱ケミカルホールディングスのヘルスケア事業の会社として発足。「創薬・製薬支援」「健康・医療ICT」「次世代医療」の事業部門を担っている。再生医療は「次世代医療」部門の中核の1つ。今まで有効な治療法がなかった疾患への適用が期待されている。
有望視されている幹細胞「Muse細胞」
Muse細胞は2009年に東北大学の出澤真理教授らのグループにより発見された多能性幹細胞。ClioはMuse細胞に関して独占的使用権を保持している。
Muse細胞は外胚葉、内胚葉、中胚葉の三胚葉に分化する機能がある幹細胞で、もともと生体内にある自然な細胞なので腫瘍化の懸念が低い安全性に優れており有望な幹細胞と考えられている。
心筋梗塞など組織に傷害を負った動物の静脈内にMuse細胞を投与する実験により、傷害組織に集合し、組織を構成する細胞に自発的に分化して欠損した細胞を補填、機能回復効果を発揮することが現在確認されている。
今後はヒトMuse細胞製剤を利用した臨床試験を計画、今まで有効な治療法がなかった疾患の分野へ新しい治療法を提供できると期待されている。

株式会社生命科学インスティテュート プレスリリース
http://www.lsii.co.jp/pdf/20150514-1株式会社三菱ケミカルホールディングス プレスリリース
http://www.mitsubishichem-hd.co.jp/news_release.html