ガルデルマより発売
ガルデルマから、2015年5月11日にロゼックス(R)ゲル0.75%(一般名:メトロニダゾール)が発売された。同剤は国内初の「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減」を効能・効果とする外用薬。
有効成分であるメトロニダゾールは、進行がんの皮膚潰瘍部位で増殖し、プトレッシン、カダベリンといった臭気物質を産生する数種類のグラム陽性及びグラム陰性嫌気性菌に対して抗菌作用を発揮。そのため、がん性皮膚潰瘍に伴う臭気が軽減される。
販売の経緯
乳がんの終末期に多くみられるがん性皮膚潰瘍は、痛みや出血とともに強い臭気(がん性皮膚潰瘍臭)を放ち、患者や家族のみならず医療者にとってもそのケアは困難である。
その治療には、WHO(世界保健機構)やASCO(米国臨床腫瘍学会)のガイドラインにおいてメトロニダゾールの外用剤が推奨されているにもかかわらず、日本国内では未承認薬であるために様々な課題を抱えていた。そのような状況下で同剤は患者や家族だけではなく病院薬剤師にとっても長年待望の薬剤であった。
日本緩和医療学会及び日本緩和医療薬学会は同剤の市販化について厚生労働省に要望書を提出。その後、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、がん性皮膚潰瘍臭が不可逆的で日常生活に影響を及ぼす病態、疾患であり、メトロニダゾール外用薬が標準的療法に位置づけられるとの評価を受けた。
厚生労働省は、英国法人が同じ効能・効果を持つ製品を販売している同社にがん性皮膚潰瘍臭の軽減を目的としたメトロニダゾール外用薬の開発を要請した。同社はこれを受諾し、国内第3相試験で有効性と安全性を確認。今回の発売に至った。
同社は、今回の発売によって同剤が、がん性皮膚潰瘍に苦しむ多くの患者のQOLを改善に寄与できると期待しているとしている。
がんサポーティブケアの新戦略をテーマにしたセミナーも共催
また、同社は「がんサポーティブケアの新戦略」をテーマとなった第20回日本緩和医療学会学術大会と第23回日本乳癌学会学術総会において、セミナーを共催する。第20回日本緩和医療学会学術大会では、同剤の有用性についても演題となっている。

ガルデルマ ニュースリリース
http://www.galderma.jp/c_press-release/2015/05/075-1.html