標準化学療法群よりも高い血液学的完全寛解率
ファイザー社は、再発または難治性のCD22陽性急性リンパ性白血病(以下、CD22陽性ALL)の成人患者を対象としたイノツズマブ オゾガマイシンによる治療を研究する第3相試験において、同剤投与群が標準化学療法群と比較して高い血液学的完全寛解率を示し、主要評価項目を達成したと発表した。
INO-VATE ALL試験
今回の第3相試験(INO-VATE ALL試験)は「1022試験」としても知られる非盲検、無作為化試験で、再発または難治性のCD22陽性ALLの成人患者を対象に、イノツズマブ オゾガマイシンの安全性と有効性を標準化学療法群と比較検討することを目的としている。
主要評価項目は、血液学的完全寛解率と全生存率の2点。血液学的完全寛解には、完全寛解(CR)および、血小板数および/または好中球数の回復を伴わない完全寛解(CRi)が含まれる。今回安全性に関する未知の事象は確認されなかった。
そして、この試験で得られた有効性と安全性のデータに関しては、近く開催される医学学会で公表される予定だ。
なお、同社は全生存率について十分なデータを収集するために試験を継続している。
イノツズマブ オゾガマイシン
イノツズマブ オゾガマイシンはファイザー社とセルテック(現UCB)が協力して創製した抗体薬物複合体で、B細胞性悪性腫瘍8の約90%に発現する細胞表面抗原であるCD22を標的とするモノクローナル抗体(mAb)7および細胞傷害性化合物で構成されている。同剤がB細胞性悪性腫瘍のCD22抗原と結合すると、細胞中に取り込まれ、細胞傷害性を有するカリケアマイシンを放出し細胞を破壊する。

ファイザー ニュースリリース
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2015/