悪性中皮腫を適用とする
アストラゼネカは、抗CTLA-4モノクローナル抗体であるtremelimumabについて、米国食品医薬品局(FDA)から悪性中皮腫治療薬として希少疾病用医薬品に指定されたと発表した。
希少疾病用医薬品指定プログラム
希少疾病用医薬品指定プログラムは、米国で20万人未満が罹患している希少疾病や障がいについて安全かつ効果的な治療、診断、予防を提供することを目的とする低分子医薬品およびバイオ医薬品に対して希少指定を付与する制度。
tremelimumab
tremelimumabは、完全ヒトモノクローナル抗体で、活性化Tリンパ球の表面に発現するタンパクCTLA-4に結合し、がん細胞を攻撃するよう免疫システムを活性化する。
なお、同剤は現在、中皮腫の単剤療法としての検討だけではなく、非小細胞肺がんおよび頭頸部がんに対し、抗PD-L1抗体である免疫治療治験薬MEDI4736との併用療法としても試験を実施している。また、同剤はEGFR変異非小細胞肺がんでイレッサ (ゲフィチニブ)との併用、および固形がんでMEDI6469(マウスOX40作動薬)との併用の試験についても実施中だ。
悪性中皮腫
悪性中皮腫はその多くが肺および腹部の内膜(胸膜、腹膜)にみられる希少かつ悪性度が高いがんで、特に病勢が進行している患者への有効な治療法は非常に限定されている。そして、悪性中皮腫治療での患者の5年生存率は、適切な診断や治療を受けた場合でも5%未満とされている。
そのため、患者から同疾患に対する新しい治療選択肢が熱望されている。同社は、悪性中皮腫の患者にとって新しい治療選択肢となり得るtremelimumabの開発を迅速に進めていきたいとコメントしている。

アストラゼネカ ニュースリリース
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