iPS細胞技術の臨床応用に向けて
京都大学iPS細胞研究所(以下「CiRA」)と武田薬品工業株式会社は、iPS細胞技術の共同研究実施に関する契約を締結したと発表した。
同研究は、心不全・糖尿病・神経疾患などにおけるiPS細胞技術の臨床応用に向けたもの。この提携は「T-CiRA」と称され、創薬研究や細胞治療に関する複数の研究プロジェクトが実施されるという。
今後10年間にわたって研究を実施
CiRAは、世界初のiPS細胞に特化した先駆的な中核研究機関として、平成22年4月1日に設立された。現在は、iPS細胞の発見者でノーベル賞受賞者である山中伸弥教授を所長として、約30のグループが研究に取り組んでいる。
今回締結された契約に基づく提携により、CiRAと武田薬品は今後10年間にわたってCiRA主導の研究プログラムを実施することとなる。この提携は、医療の未来に画期的な変革をもたらす可能性を持つが、同時に莫大な時間と労力を要するiPS細胞技術の研究に、大きく貢献するとしている。
山中伸弥CiRA所長が研究全体を指揮
この提携に基づく共同研究は、山中伸弥CiRA所長が研究全体を指揮。武田薬品は長期にわたる研究費用の提供と研究の運営に対する助言を行い、藤沢市に所在する湘南研究所内の研究設備を提供する。
当初の研究分野としては、心不全・糖尿病・精神神経疾患・がん免疫療法などが可能性の高いものとして挙げられている。研究の進展に伴い、新たなプロジェクトも追加される見込みだという。

京都大学iPS細胞研究所と武田薬品のiPS細胞研究に関する10年間の共同研究契約締結について - 武田薬品工業株式会社
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