肝線維化を認める非アルコール性脂肪性肝炎治療適応に対して
2015年4月16日、米国のメディシノバ社は、同社が開発中の新規化合物MN-001(タイペルカスト)について、米国食品医薬品局(FDA)からファストトラック(優先承認審査制度)の指定承認を獲得したことを明らかにした。
ファストトラックを獲得したのは、肝線維化を認める非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療適応に対して。ファストトラックの指定は、治験対象となる疾患が深刻あるいは生命を脅かす危険性があることと、現在の治療法を超える治療効果を充たす可能性があることが条件となっている。
同剤は線維化を抑える効果や炎症を抑える効果があるとされており、線維化を認める進行したNASHが薬物による治療法のない肝硬変へ進展するリスクが高いことから、早期の承認が期待されている。
メタボリックシンドロームの増加により認識されるようになったNASH
NASHは脂肪肝に何らかのストレスが加わることで、肝組織に炎症や線維化などのダメージがおきる疾患である。メタボリックシンドロームの増加により、近年になって認識されるようになった肝臓疾患であり、米国におけるNASHの有病率は2~5%、脂肪肝をもつ米国人は10~20%いると言われている。
MN-001は、NASHを含む原因による脂肪肝、肝臓の炎症、瘢痕化など肝臓へのダメージを幅広く対象とする新しい特許の承認を受けている。

メディシノバ プレスリリース
http://www.medicinova.jp/pdf/irnews/04162015_2.pdf