第1相臨床研究を進行中
テラ株式会社は、現在同社が進めている樹状細胞ワクチン「バクセル」の第1相臨床研究について、日本癌学会の学会誌である「Cancer Science」に掲載されたと発表した。
同社は、2011年1月に慶應義塾大学医学部と共同研究契約を締結。進行膵臓癌を対象として同ワクチンの第1相臨床研究を進めている。
「WT1ペプチド」を用いた樹状細胞ワクチン
WT1は、ほぼ全ての癌に発現していることが報告されている、世界的に有名な癌の「目印」。テラは、このWT1の一部をさらに改変することで強力な癌免疫誘導を可能にした「WT1ペプチド」の、独占実施権を保有している。
「バクセル」は、この「WT1ペプチド」を用いた樹状細胞ワクチン。本来は血液中に数少ない樹状細胞を体外で大量に培養し体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球へ癌の特徴を伝達し、そのリンパ球に癌細胞のみを狙って攻撃させる。
癌抗原WT1に特異的なT細胞を誘導
今回発表された臨床研究は、膵臓癌患者に、化学療法の塩酸ゲムシタビンに加えて「バクセル」を実施し、その安全性と完遂性の評価をするというもの。結果、塩酸ゲムシタビンと「バクセル」の併用は、WT1に特異的なT細胞を誘導が可能であることが明らかになったという。
テラは、今後も「バクセル」の更なるエビデンス強化を図り、より良い細胞医療の開発・普及に取り組むとしている。

テラ株式会社の樹状細胞ワクチン「バクセル」の臨床研究結果について、「Cancer Science」にて発表 - テラ株式会社
http://www.tella.jp/company/release/2015/04/863/