直近10年間で生存期間の延長をもたらす初の治療薬
2015年4月8日、中外製薬は、ロシュ社が製造した分子標的治療薬「Avastin」について、欧州委員会により、治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんの成人に対する同剤と標準的な化学療法との併用療法が承認されたことを明らかにした。
標準的な化学療法とは、paclitaxelとcisplatin、または白金製剤の投与を受けることができない場合はpaclitaxelとtopotecanの投与を指す。
今回の承認はGOG-0240試験の成績に基づくものだ。同試験において、Avastinと化学療法の併用を受けた女性の死亡リスクが統計学的に有意に26%減少することが認められた。また、化学療法単独に比べ生存期間の中央値は約4カ月の延長が確認されたという。
同社は同剤の承認について、これまで治療選択肢が化学療法に限定されていた子宮頸がんの領域において重要な進歩になるとしている。
子宮頸がんは女性のがん死亡原因の第4位
子宮頸がんは世界中で年間50万人以上が罹患するとされており、毎年、26万人以上の女性が子宮頸がんで死亡しているという。これは女性のがん死亡原因の第4位である。
早期に診断された場合は少なくとも10人中9人が5年以上生存できるなど、早期発見が有効な疾患であるが、進行期に移行してしまったステージにおいては、5年以上の生存率は6人中1人以下に低下する。
同剤は2004年に米国で初めて進行性結腸・直腸がんに対して承認を受けて以来、子宮頸がんを含む進行がんの治療に広く臨床で用いられている。

中外製薬によるロシュ社のプレスリリース
http://www.chugai-pharm.co.jp/news/