ハンチントン病と遅発性ジスキネジアを適応症として開発
田辺三菱製薬株式会社は、VMAT2阻害剤 「NBI-98854」について、米国のニューロクラインバイオサイエンス社とライセンス契約を締結した。
同契約は、同剤の日本・アジアにおける独占的開発・販売権に係るもの。田辺三菱製薬は同剤について、ハンチントン病に伴う舞踏運動および遅発性ジスキネジアを適応症として開発を進めるとしている。
ドパミン神経系の機能を正常化
「NBI-98854」は、神経終末に存在するVMAT2(小胞モノアミントランスポータータイプ2)を阻害する薬剤。VMAT2を阻害することで、ドパミン等の神経伝達物質のシナプス前小胞への取り込みを減らし、不随意運動の発生に関わるドパミン神経系の機能を正常化させる。
ハンチントン病は、遺伝性の進行性神経変性疾患。舞踏運動を主体とする不随意運動・精神症状・認知障害が主な症状であり、脳内病変部位の神経内ドパミン量を調節することで改善できると考えられている。
遅発性ジスキネジアは、抗精神病薬などを長期間服用することで起こる不随意運動。ドパミンの感受性増加等が原因と考えられており、重症になれば嚥下障害や呼吸困難になる可能性もある。
中枢神経系疾患を戦略領域に定め
今回の契約締結により田辺三菱製薬、ニューロクラインバイオサイエンス社に対して契約締結時一時金として3000万ドルを支払う。また、開発および販売マイルストンとして総額8500万ドルの追加一時金を、同剤の上市までに支払う可能性があるという。
同社は今後も、中枢神経系疾患を戦略領域のひとつに定め、アンメットメディカルニーズに応える新製品の開発に取り組むとしている。

VMAT2阻害剤 「NBI-98854」のライセンス契約締結について - 田辺三菱製薬株式会社
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