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2025年07月20日(日)
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抗うつ薬が心臓病の治療効果を向上 コレステロール値を下げる薬を上回る

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抗うつ薬が心臓病の治療効果を向上 コレステロール値を下げる薬を上回る

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米研究グループが発表
「心の風邪」ともいわれ、誰でもいつかかるか分からない「うつ」だが、心臓や血管の病気に、うつ症状が重大な影響を持つとの研究を、米研究グループが報告した。発表は、中程度を超えるうつ症状の場合、コレステロール値を下げる薬よりも、抗うつ薬の方が心臓や血管の病気を防ぐ効果が高いとしている。

抗うつ薬
報告をしたのは、米ユタ州ソルトレイク市のインターマウンテン医療センター心臓研究所の研究グループ。3月15日(現地時間)、サンディエゴで行われた第64回米国心臓病学会科学会議で明らかにした。

耳鳴り、めまい、息苦しさも
うつは不安、抑うつ気分、気力や思考力の低下などの精神症状だけでなく、耳鳴り、めまい、息苦しさなどの身体症状が現れることも珍しくない。社会環境の変化で、症状のあらわれ方は多種多様。そうした点から見ても、研究は興味深い内容となっている。

ユタ州の2万6000人以上の健康記録や死亡率、心臓に血液を供給する血管が狭くなる「冠動脈疾患」、脳に血液を供給する血管が狭くなったり、出血したりする「脳卒中」についての分析を行った。

その結果、中程度から深刻な抑うつ症状のある患者の中で、抗うつ薬だけを使用している人は、抗うつ薬もコレステロール阻害薬「スタチン」も使っていない患者に比べ、死亡リスクや冠動脈疾患、脳卒中リスクを合わせて53%もリスクが低かった。

調べた2万6000人のうち、5311人が中程度から深刻な抑うつ症状にあることを確認。一方、1万2517人は抑うつ症状がまったく無いか、あったとしても軽いものと判定。抑うつ症状が無い、あるいはほとんど無い人の場合、抗うつ薬は心臓・血管病のリスクとは関連が無かった。

グラクソ・スミスクライン社も情報
身体疾患とうつとの関連については、うつ病治療に使用される「パキシル」で知られるグラクソ・スミスクライン社の情報サイト「Paxil.jp」でも資料が出ている。その一つが「循環器疾患とうつ」で、循環器疾患はうつ状態を起こしやすいという内容だ。

資料によると、急性心筋梗塞患者の42%に抑うつ症状があり、高血圧患者の約3割がうつ状態となっている。うつ病の発症率は通常1割といわれており、循環器疾患の患者にうつが多いといえる。

60歳以上で高血圧とうつ症状がともにある場合、心不全の発症が2倍以上に増え、心筋梗塞とうつ病がある人は、うつ病が重症であるほど死亡率が上昇するという。

うつ病の発症にはセロトニントランスポーター(神経の外で余っているセロトニンを神経の中に再取り込みするタンパク質)の働きが関係しているという説があるが、セロトニントランスポーターが循環器疾患にも関係する、との報告も掲載されている。

(画像はイメージ、Pixabayより)


外部リンク

American College of Cardiology ニュースリリース
http://www.acc.org/about-acc/


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