米国イムノジェン社
米国ImmunoGen Inc.(イムノジェン社)と武田薬品工業株式会社は、3月24日、武田薬品がイムノジェン社の有する最先端の抗体-薬物複合体(ADC:antibody-drug conjugate)技術の独占的使用権を取得する契約を締結したと発表。
イムノジェンは、武田薬品より契約一時金として2000万ドルと、最大で2億1000万ドルのマイルストンを受け取ることとなる。さらにADC製品販売後は、販売額に応じたロイヤルティを得る。武田薬品は、同契約にもとづき、各ADC化合物の開発・製造・販売をおこなう。
ADC技術の3つの抗体
ADC技術は、バイオテクノロジー企業イムノジェンが抗がん剤開発に用いる技術で、同契約にはイムノジェンの新規DNA作用型IGNペイロードも含まれる。
これにより未公開となる2つの抗体を標的とした抗がん剤の開発に活用でき、さらに武田薬品は、追加一時金を支払うことにより、3つ目のターゲットについての権利も獲得できることとなる。
副作用の軽減に期待
イムノジェンのADC技術では、抗がん作用をもつ化合物を標的となるがん細胞に運び、がん細胞を攻撃する。従来の化学療法では正常な細胞も破壊してしまうが、イムノジェンの技術は標的以外の細胞への影響が少なく、副作用が軽減されると考えられている。
同社のADC技術を用いた最初の製品は、スイスのロシュが販売する「Kadcyla(R):カドサイラ」である。

ImmunoGen Inc./武田薬品工業株式会社 プレスリリース
http://www.takeda.co.jp/news/2015/20150324_6947.html