岐阜大 肝臓がん新薬の治験結果を発表
岐阜大医学部研究チームが、肝臓がんの再発を抑制する新薬の治験を行い、清水雅仁教授が、25日に成果を発表した。
今回の治験では、ビタミンAに似た分子構造を持つ「非環式レチノイド(ACR)」を飲み続けることで、肝臓がんの再発を抑える働きがあることを発表した。
再発の高い肝臓がんに朗報
今回の治験で、肝臓がんを治療した患者約400人が参加している。
肝臓がんの治療後、2年間「非環式レチノイド(ACR)」を飲み続けた患者のグループは、3年後、43.7%の患者が、再発せずに生存していた。この結果は、「非環式レチノイド(ACR)」を飲んでいないグループよりも29.3%多い結果となった。
今後は、新薬の承認に向けて治験を行う
今回の「非環式レチノイド(ACR)」を使用した治験では、副作用がないことを確認した。肝臓は、ビタミンAを蓄える働きがあるが、肝硬変となってしまった肝臓には、ビタミンAが減少していた。ビタミンAが不足している肝細胞に、「非環式レチノイド(ACR)」を補うことで、再発を防いでいる。
今回の「非環式レチノイド(ACR)」の数年以内の新薬承認を目指し、今後、岐阜大病院や製薬会社を中心に、600人規模の治験が開始する。

岐阜大学
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