成人の常染色体優性多発性のう胞腎の発の治療薬として
大塚製薬は、子会社の大塚カナダファーマシューティカルInc.が、成人の常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)の初めての治療薬として「JINARC(R)」(海外商品名:ジンアーク、一般名:トルバプタン)の承認をカナダ保健省より取得したことを発表した。
トルバプタン
トルバプタンは、大塚製薬が開発した薬剤で、バソプレシンV2-受容体拮抗作用により水だけを出す利尿剤として世界20カ国・地域で用いられている経口治療薬。
また、トルバプタンがバソプレシンV2-受容体を介したcAMP産生を抑制することによりADPKDの腎嚢胞の増殖・増大を抑制することが確認されたため、同社は希少疾病であるADPKDの治療薬開発に米国メイヨー・クリニックのヴィセンテ・E・トーレス教授を中心とした世界の専門医とともに取り組んでいた。
1400人以上のADPKD患者を対象に世界15カ国で国際共同フェーズ3試験を行った結果、トルバプタンは、プラセボと比較し腎臓の容積の増加率を約50%有意に抑制することが証明されている。今回のカナダ保健省の「JINARC」承認は、この国際共同フェーズ3試験結果によるものとなっている。

大塚製薬 ニュースリリース
http://www.otsuka.co.jp/company/release/2015/